(桜花賞)
美しい、華やかさのある黒光りのする馬でした。
85年にシリウスシンボリがダービー優勝し、新種牡馬のモガミの価値が上がり、登場してくる産駒も他の馬たちより何か違ったものを持っていて、強そうだとの錯覚がまだ解けないころにさらに強力な彼女が登場しました。
桜花賞トライアルで関西に来る前は、勝つ時は大差、圧勝するけれど、アッサリ負けたりもするので、大きな可能性はあるけれど脆さも持ち合わせているとの印象、スピードとパワーは凄いが、それがちゃんと発揮できないときがあるとの印象で彼女を私はとらえていました。
桜花賞トライアルは、初遠征、初コースであり、レースも後手を踏んでしまったのか、最後のハロン棒を迎えても差し届きそうではあるもののTVやラジオ実況で受け取ったほどの物が違う的な感じは受けませんでしたが。。。。
あと200過ぎで鞍上となった河内騎手のゴーサインが強く出た後、なにか他の誰かが力を加えて、積木と積木を苦もなく置き換えるように、凄く短い距離で楽に先頭を交わしてゴールしていました。
(桜花賞 上、下)
場内の「あーーーーー!」って感じの歓声がメインレースでおこるのは非常に希です。力の違いすぎる馬が最後だけ追われてメッチャ強い時にそんなことはありますが。
いまでも、その情景、歓声は鮮明に思い出すことができます。大きな場内のため息の後、強さにあきれてドッと笑いがおきていました。
(4マヤノジョウオの騎手が首をひねってるのが印象的。
会心のレースをして歯が立たない強さでした。)
桜花賞は予定通り圧勝。東京で2月に敗戦をしていることから、東京が不安ではの声がありましたが、トライアル、オークスともに全く不安なく楽勝しました。
直線まで無理をしないでスムースに走らせ、最後に爆発させる河内騎手の騎乗が彼女に何かを与えていたのかもしれませんが。
エリザベス女王杯(3才限定)では、早めに先頭に立った分苦しみましたが、初の牝馬三冠を達成しています。
しかしながら、最初の桜花賞トライアルの印象が強すぎて、その後は、彼女を信じているだけでしたので、他のレースでの印象が非常に薄いのが今となっては思い出ででもあります。
(エリザベス女王杯)
ホントなら、女王杯の時に自分が三冠を達成するくらいの緊張感がかかってしまって、後からアホらしく感じられるのですが、ほとんどそれはありませんでした。
ローズSも制しており、トライアルも全て制覇しての完璧な三冠でした。
この後、有馬記念に挑戦するのですが、記録を調べると、0.6秒くらいしか負けていないんです。たしかレースでは馬群に揉まれっぱなしで、小さな不利は一番受けてしまった感じでしたから、後からの3才牝馬の有馬記念での結果とあわせると相当な能力だったことがわかります。